ニューヨークのセレブが愛するエドワード・トリコミはどれほどプロフェッショナルなのか? 『ウォーレン・トリコミ』寺田洸さんが語りつくす
左がエドワード・トリコミ氏、右はカラリストのジョエル・ウォーレン
1990年に公開された、ティム・バートン監督による『シザーハンズ』。主演のジョニー・デップが怪演する人造人間のエドワードには、実在するモデルがいたことをご存知でしょうか。それがアメリカのトップサロン『ウォーレン・トリコミ ニューヨーク』で数々の伝説を生んでいるヘアスタイリスト、エドワード・トリコミ氏です。
鬼才と呼ばれる映画監督にインスピレーションを与えるほどの美容師とは、いったいどんな人なのでしょう。彼直伝の技術の他様々な指導を受け、日本人初のディプロマを取得した『ウォーレン・トリコミ』表参道原宿店の店長を務める寺田洸(てらだひかる)さんに聞きました。
イタリアから飛行機に乗ってNYのサロンにくるお客さまも
-寺田さんはどのくらいの期間、ニューヨークの『ウォーレン・トリコミ』で働かれていたのですか?
『ウォーレン・トリコミ』の日本上陸が決まり、それからの縁になるので実際に働いた期間は数ヵ月です。そのうち3週間はサロンワークだけでなく、エドワードの仕事のすべてについてまわらせてもらいました。
エドワードは「この距離で俺のすることを全部見てろ」っていう感じでしたね。
その期間に技術についての考え方や、美容師のあり方などたくさん話してもらい、貴重な時間を過ごしました。
『ウォーレン・トリコミ ニューヨーク』表参道店の店長・ディレクターを任される寺田さん
-そもそもエドワード氏は映画『シザーハンズ』以前から、有名なスタイリストだったのですか?
はい。サロンを立ち上げる前は雑誌専属のヘアスタイリストとして、『VOGUE』や『COSMOPLITAN』などのカバーや、パリやミラノのコレクションで活躍していたそうです。そこで有名になった後に共同経営者であるロクサナ(・ビンティ―リ)と出会って、『ウォーレン・トリコミ』をオープンしたと聞いています。
その前は13歳の頃からバンドを組んでいて、ビートルズの前座として一緒に世界中をまわっていました。その頃に多くのエディターと出会ったことが、バンド解散後にヘアスタイリストの道に進むきっかけになったそうです。
-エドワード氏はセレブな顧客を数多く持っていると聞きます。彼がお客さまに選ばれ続けている理由はなんだと感じましたか?
お客さまたちは彼の技術はもちろん、センスを高く評価しているように感じました。長年の撮影やコレクションの仕事で培ってきた美意識が、ヘアカットでつくるスタイルにも表れているからなんでしょうね。
またアメリカはセクシーでエレガントなヘアスタイルが王道。ニューヨークの女性の場合は、これに強さが加わったものを好む傾向にあります。これはエドワードがもっとも得意とするスタイルでもあるんです。
実際、僕がいたときにもサロンにくるためだけに、イタリアからこられたお客さまがいらっしゃいました。ご旅行のついで、ということではなく本当にヘアスタイルのためだけに飛行機に乗ってこられたそうです。日本ではそんなことほとんどないですし、そこまで求められるのって、すごいですよね!
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