5年半のアシスタントを経て転職1年半で一気に店長へ
ハイライトとグラデーションカラーで人気のサロンALIVE。原宿店の店長を務めているのが大石啓慈(おおいしけいじ)さんです。ALIVEに入社後は順調なキャリアを積んでいる彼ですが、スタイリストになるまでは苦労していたそう。外国人風カラー指名No.1の売れっ子であり、店長も任されている大石さんが、なぜ転職前は足踏み状態だったのか、そしてなぜ転職後一気にブレイクしたのか探ってみました。
どんな仕事も「流さない」 前職で得た大切な学び
僕の生まれは北海道、富良野市。中学時代から雑誌やヘアカタログで活躍している美容師に憧れていて、専門学校を卒業したら上京して有名店で働くと決めていました。
その念願が叶い、カリスマ美容師ブームの火付け役になった都内有名サロンに入社。全国各地から優秀な学生が集まるサロンだったのでプレッシャーを感じていましたね。でも、負けず嫌いな性格なので、誰よりも早く技術チェックに受かるように努力していました。
身近にカリスマ美容師や、女性美容師界のスターのような人がいたので、今も忘れない学びがたくさんありました。一流の美容師に共通するのは、どんな仕事も手を抜かず、120%の力でやり抜くこと。言葉にするのは簡単ですが、実現するのは簡単じゃない。たとえば、フロアを掃くときも、気を抜くことは許されません。掃き方がまずいと、一番偉い人が「一年生、集まれ!」と呼んで、忙しい営業中でもみんなの前で見本を見せてくれるんです。
先輩たちが何ごとも流さず取り組む姿勢を間近で見たら刺激を受けるし、僕らもそうすることが求められていたから、何ごとも120%でやることが習慣になりました。
一方で、僕はアシスタント生活を送りながら、「サロンワークもいいけれどヘアメイクもしてみたい」と思うように。今思うと安易な考えだったのですが、美容師4年目のあと少しでスタイリストというタイミングで転職したんです。『SPUR』や『GINZA』のようなハイファッション雑誌で活躍するヘアメイクアップアーティストがオーナーを務めるサロンに入りました。
転職は自分の視点を広げるという意味では有意義でした。ただし、アシスタント生活は都合5年半に伸びてしまい、人より遠回りしてしまったかなと思います。
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