掃除をすれば売上が上昇する! 環境改善により利益が217%アップした F.PARADEの試みに迫る
美容師のみなさん、店舗掃除は毎日していますよね?
東京・千葉にサロン3店舗と飲食店1店舗を経営するF.PARADEさんは、ミクロの汚れまで取り除くという徹底的な清掃活動をしているお店です。その清掃活動が評価され2016年の掃除大賞(※)において、「ホスピタリティ教育賞」と「プレゼンテーション賞」をダブル受賞しました。しかも清掃を始め、お店の環境整備に取り組み始めてから売り上げが上昇。環境整備と売り上げがどう直結しているのでしょうか? 代表取締役・長谷川竜太(はせがわりゅうた)さんを訪ねました。
※一般財団法人日本そうじ協会が主催するそうじの全国大会
「キレイな店はつぶれない」という父の助言を受け、環境整備をスタート
-F.PARADEさんでは、スタッフ総出で徹底した清掃活動をしているそうですね。その取り組みが評価され、掃除大賞2016では2つも賞を受賞。清掃に力を入れるようになったきっかけは何でしょうか?
きっかけについて話す前に、F.PARADE についてまずは説明をしてもいいでしょうか? 2012年に「サービス業界でNo.1になる」という大いなる志を持つ仲間6名とF.PARADEを創業しました。僕らは美容業界のみならず、飲食やファッションのカテゴリも含めてトータルで女性の美を追求することを目指して邁進してきました。
そんななかで「どうしたらもっと企業として成長できるだろう」と考え、同じく経営者の父に相談したところ、「環境整備をしろ。キレイな店は絶対につぶれないから」と言われたんです。そう言われて「確かにそうだな」と。まずは会社をつぶさないための土台作りをしっかりしないと攻めることはできないので、言われるがままに環境整備を始めたんです。
-環境整備とは、具体的にどんなことをしているのでしょうか?
整理・整頓・清掃・清潔・躾の「5S」を通じて働きやすい環境づくりをすることです。「整理」とは不要なモノを捨てること、「整頓」とは必要なモノをすぐに使えるように配置すること、「清掃」とはホコリをなくしよい空気環境を作ること、「清潔」とはピカピカに磨き上げること、そして「躾」とは細かい部分に気づく力を養うこと。それらを総じて、『場を整え、流れをよくし、個人と組織の能力を最大限発揮できる環境をつくること』とし、F.PARADEスタッフは掃除を徹底的に行なっています。
-長谷川さんは環境整備の知識をどのように学んだのですか?
セミナーに通って勉強し、環境整備士1級・2級の資格を取得しました。さらに、どんな環境整備を行なうのがいいのかを研究するため、さまざまな企業に出向くなどしました。期間は1年ぐらい。まさに環境整備の修行のようでした。おかげで環境整備のプロになれたんじゃないかと。今はこの修行期間中に知り合った数社の企業と共に「TOTONOEプロジェクト」を発足させ、講演会などの活動も行なっています。