古くない、むしろ新しい。60-70年代ヘアスタイルが今なお私たちを惹き付ける理由とは?

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「流行は繰り返される」と言われるように、かつて流行ったものが、再び注目を浴びるということは少なくありません。とくに60-70年代は、カルチャーやファッションが大きな飛躍を遂げた時代。現代のファッションやヘアも、そのほとんどが60-70年代の影響を色濃く受けているのです。

 

今回は、60-70年代のファッション&ヘアにクローズアップ。その魅力や特徴、そして、今の時代に取り入れる方法を、60-70年代のヘアスタイルを専門とする「SAIKA」のオーナー・齋藤嘉弘(さいとうよしひろ)さんに解説していただきます。

 


 

ANTIの小松さんが“円錐ロッド”を生み出したときは衝撃だった

 

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-齋藤さんが60-70年代のメイクやファッションに興味を持ったきっかけを教えてください。

 

私は60年代生まれなのですが、子供のころから当時の音楽、つまりローリング・ストーンズやザ・ビートルズなど、ロックをベースとした海外の音楽がすごく好きだったんです。70年代に突入したら、男でもメイクを施し煌びやかなスタイルをするグラムロックのムーブメントが始まりました。そのときに僕は中学1年生だったんですが、グラムロックの影響を受けてメイクをすることに興味を抱き始めました。実家が資生堂のチェーンストアをやっていたこともあって倉庫に行けば、メイク用品がたくさんある。それで、自分の顔をデビッド・ボウイ風にメイクをしてみたり、髪の毛を真似したり。高校生になってパンクのムーブメントが起きたときには、自分でレザーカットをして髪を立たせたりしていましたね。当時のカルチャーはヘアスタイルやメイクに特徴があって、自分自身も時代のムーブメントに合わせて変化していったんです。

 

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お店の棚には齋藤さんが影響を受けたCDがずらり

 

-メイクやファッション、ヘアなど、ミュージシャンのスタイルへの興味があった中で、とくに美容師を目指したのはなぜでしょうか?

 

もともと美容師になるつもりはなかったんですよ(笑)。高校を卒業したら美術学校に行くつもりだったのですが、親に反対されてしまって……。美術学校がダメなら、どうしたらいいだろうと悩んでいた矢先、資生堂に美容専門学校があることを知りました。実家は資生堂のチェーンストアをやっていますし、じゃあ資生堂の美容専門学校に行こうとなったんです。資生堂ですし、親も許してくれました。それから美容師免許を取得し、都内の美容室で働き始めました。

 

-美容室で働き始めてから、美容の楽しさを知ったのですか?

 

いやいや、楽しさというよりは、パーマを巻いたり、カラーを塗ったりを、他の人と比べてできないことが悔しくて悔しくて……。できない自分を発見してからは努力をずっと重ねてきて現在に至るといった感じですよ。伊藤五郎さん、須賀勇介さん、PEEK-A-BOOの川島文夫さんなど、美容師の草分け的な人たちの技術を学ぶようになってから自分は変わりました。勉強を始めたのが遅かったほうなのですが、同僚や先輩たちから励まされて、なんとか美容師として技術を身に付けていきました。

 

同僚の中にはANTIの小松さんがいて、彼はすごかった。彼って「パーマの魔術師」って呼ばれているでしょ。当時からパーマに対して探究心を持っていましたね。ある日、スポンジを買ってきて、一生懸命に髪を巻いているんですよ。それが後の“円錐ロッド”になるんですが、同世代であんなふうに美容のことを考えている人はいなくて、衝撃を受けたのを覚えています。

 

>60-70年代のスタイルは永遠

 

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