あの名店のスタイリストデビューの基準を探れ! Vol.7 デビューをしても教育カリキュラムは終わらない。FLEAR流スタイリストの育て方|松谷良輝インタビュー

 

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厳しい修行期間を終え、晴れて憧れのスタイリストデビューへ。といっても、デビューまでの期間や基準はサロンによってさまざまです。

 

数々のサロン・オリジナル商品開発をはじめ、全国で年150以上ものセミナー開催など、多方面で活躍。九州を代表する美容師・松谷良輝(まつたによしてる)さん率いる「FLEAR」のデビューの基準を探ります。インタビューに答えてくれた代表の松谷さんは「売り上げの高い人が一人前の美容師ではない」と語ります。その言葉に隠された想いとは?

 


 

デビューしたからといって“一人前の美容師”とは言えない

 

-FLEARさんは何年でスタイリストデビューできるんですか?

 

うちの教育カリキュラムってもともと5年を想定して作っていたんですよね。でも今は3年でデビューして、デビューしてからも引き続き4年の教育を受けてもらっています。つまり計7年で“FLEARの美容師”が完成する。若い段階でデビューしつつ、ある程度の売り上げを生み出せるよう、あと4年をかけて育てるのがうちのやり方。

 

-二段階システムを取っているんですね。アシスタントが第一段階、スタイリストデビューしてからの4年が第二段階。ではその教育内容を教えてください。

 

最初の3年で基礎的技術、つまりシャンプー、カラー、ブロー、スタイリング、ワインド、カット……と段階を踏んで教えていきます。第二段階は個々のスタイリストに合わせたカリキュラムを組んで教育。営業中に担当したお客さまをデータ化し、「このスタイリストのお客さまのなかで、再来率の低い人はどういうタイプか? 逆に高いのはどういうタイプか?」といったようにスタイリストの弱みと強みをデータ化し、弱い部分は練習をさせ、強みは磨く。デビューしてから分かる苦手分野ってあるじゃないですか。それを克服させるんです。

 

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アシスタント研修の様子

 

-なぜ二段階システムの教育カリキュラムにしたのですか?

 

理由は2つ。1つは美容師さんって“人との繋がり”が大切だから。“人との繋がり”は若いときの方が形成しやすい。ずっと美容師として働いていると、知り合いが美容業界の人だけになっちゃうけど、若いときだと学生時代の友だちなども含めていろんな知り合いがいるでしょ。いざデビューってなったときに“人との繋がり”がないと、お客さまを呼べないし、困っちゃう。だったら若いうちにデビューした方がいいな、と。もともと5年だったデビューを3年に短くしたんです。

 

2つ目の理由は“今の時代に売れる美容師”を教育するため。今の美容師さんって似合わせスタイルを作らないといけない。それができないとお客さまに再来してもらえないんですよ。むかしはトレンドが決まっていたから、ワンレングスとレイヤーを覚えていれば、それだけで「はい、合格!」って言ってもらえた。今はそれぞれのお客さまに合うスタイルを作るために、幅広い知識と技術が必要。その知識や技術って練習では身につけられない、お店に出て営業していくなかでしか学べない。だからデビューを早めて、営業のなかで学んでもらおうとしているんです。うちではデビューしたからといって“一人前の美容師”とは言えません。

 

>売り上げが高いのが一人前ではない

 

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