ヘッドスピン世界記録保持者の髪のこだわり -SPINBOYと美容師の関係-
手を使わずに頭だけで回る「ヘッドスピン」でギネスワールドレコードを持っている大野愛地(おおの あいち)さん。アメリカ最高峰のダンス集団「Quest Crew」のメンバーであり、「Party Rock Anthem」 などでおなじみ、LMFAOのワールドツアーにも参加しています。ツアー以外でも、5月は香港、6月はロシア、という具合に、世界中で回りまくっているSPINBOYの髪事情を聞いてきました。
完全に独学でヘッドスピンを覚え、記録を塗り替える
高校3年の夏にドイツのテレビ局から連絡があって、番組内の企画で「ヘッドスピンのギネスワールドレコードにチャレンジしてほしい」と言われたんです。その当時、手を使わずに頭だけで回るヘッドスピンでは、スイスの方の62周が世界一だったんですけど、チャレンジの結果、89周で塗り替えることができました。
僕のヘッドスピンは完全に独学です。お手本がなかったのが、かえってよかったのかな、と思います。62周の人を真似したところで、その人を超えられなかったかもしれないですし。
最初のころは、頭をつけて体を回そうとするたびに、背中からバターンって倒れていました。ハイハイしていた赤ちゃんが、よちよち歩きをはじめる…みたいに少しずつ回れるようになったんです。
子供のころにやっていた野球や水泳の練習は嫌いだったけど、ヘッドスピンだけは楽しかった。ずっとやっていても飽きないんです。自分でも不思議やけどね。
それで、いい感じに回れるようになってから、ヘッドスピン動画をインターネットにアップしたら、めちゃめちゃ反響があって、ギネスの話につながっていったんですよ。
2012年からはLMFAOのワールドツアーに参加。きっかけは、アメリカのダンス集団「Quest Crew」に、Twitterでコンタクトを取ったこと。仲良くなって、「LMFAOのジャパンツアーにゲスト出演しないか」という話になったんです。
東名阪の公演が終わった後、「2週間後、全米ツアーに行くから」と言ってもらって。ハゲそうなくらい悩んだんやけど、そのとき決まっていた仕事を全部お断りして、アメリカに行かせてもらいました。
「赤って言うたやん!」 勝手にピンク頭にされる
LMFAOステージには10人くらい立っています。そのなかで印象を残すためには目立つことが大事。お客さまが見にくるのはダンスやからと思って、髪型はあんまり気にしてなかったんやけど、そうじゃないんやなってわかりました。10万人くらい集まる屋外ステージのときは特にそうで、髪型や色でインパクト出していかないと、覚えてもらえないんですよ。
ショートヘアで髪色は赤、ワックスで立たせるというのが、僕の定番。赤いヘアマニキュアはスペイン製のものを使っています。理由は、落ちないから。ヘアマニキュアに関しては世界中のものを試したし、むっちゃこだわっているポイントですね。
前は、アメリカの美容師さんに髪を切ってもらうこともあったんやけど…アメリカの髪事情ってすさまじいんですよ。簡単にいうと、オーダー通りにしてくれない(笑)。頼んでないのにいきなりバリカン出してきちゃうとか。赤にしてほしいってお願いしているのに、「お前はピンクのほうが似合う」って言って無理矢理ピンクにされたりとか。「え、赤って言うたやん!」って思うんですけど(笑)。
そんな経験があるから、日本の美容師さんは技術あるし、期待に応えてくれるし、素晴らしいと感じます。なので、向こうでもできるだけ日本人の美容師さんに切ってもらうようにしているんです。
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