クリエイティブ・タイムは朝陽とともにやってくる -DaB八木岡聡さんの習慣 前編-
美容業界誌のなかに「デザイン」というキーワードが出てきたとき、かなりの高確率でDaB代表の八木岡聡(やぎおかさとし)さんの名前がその近くに現れます。今回は、数々の美容コンテストで審査員長を務め、さらにはインダストリアルデザイナーとしても活躍している八木岡さんの習慣に迫りました。インタビューは前後編の2回。今回は前編です。
何時に寝ても5時に起床
僕は20代のころは、睡眠時間は平均3、4時間で、週に1回、まとめて眠ることができればOKだと思っていました。30代くらいから早起きになり、今日も起きたのは5時。子供が目を覚ます前の間にデザインの仕事を進めています。昼間はサロンワークや打合せでまとまった時間をとることかできないので、朝の2時間がとても大事なんです。
アイディアって、「さあ考えよう!」って出てくるものじゃないですよね。「このスタイリング剤、もっとこうしたらよくなるのに」とか、「このデザイン、違うところに発展させたら面白いかも」とか、体や頭を動かして仕事をしているときに湧いてくるもの。僕の場合、仕事のなかで気づいたことを全部メモに残しておくんです。これがアイディアのソースになる。そうした気づきを見返して、精査するのが朝の時間というわけです。
朝の頭って、冷静に考えたり、客観的に見返したりするのに向いていると思います。今僕がデザインの仕事と美容師の仕事を両立できているのは、朝の時間を有効に使えているからじゃないかな。
仕事で夜遅くなっても、基本的にはいつも同じ時間に起きています。「早起き」なんて話をすると、なんかマジメに感じるかもしれないけど、僕はこれまでマジメに生きようなんて思ったことは一度もない。むしろヤンチャに生きてやろうと思っていたくらい。それが今は5時起きでしょ。遅刻も欠勤も一度もしたことがないから、「俺って誰よりもマジメ?!」って思うようになりました。