有名店の“いいとこ取り”好青年2人組が南青山で独立 ―LONESS―
2016年3月1日、南青山に『LONESS(ローネス)』というサロンが誕生しました。それぞれ有名店の重要なポジションで活躍してきた本田治彦(ほんだはるひこ)さんと、片山良平(かたやまりょうへい)さん。特色あるサロンで育ってきた二人の独立は、業界内でも注目されています。そこで今回は、気になる独立の経緯と今後の展開について話を聞いてきました。
飲み会で「将来どうするの?」という話をして…
-違うサロンで活躍していたお二人ですが、いつどのようにして出会ったのですか?
本田さん:最初はいつだろう…?知り合ったのは結構前ですね。
片山さん:共通の知り合いの紹介で、飲み会で知り会ったんです。
本田さん:お酒を飲みながら話していると、美容への想いとか、考え方とか見えてくるじゃないですか。最初に会ったころから僕は「一緒にサロンをやったらおもしろそう」と思っていました。
片山さん:そのころ僕はまだ様子見していたんですよね。独立って、人に流されてするものではないし、慎重になって考えるべきことじゃないですか。なので、気持ちが固まるまで半年くらいかかりました。
本田さん:最初の頃は月1回とか2回とかそのくらいのペースで会っていたんですが、最後はほぼ毎日でしたね。
片山さん:週6、7日くらいで会って話していました。
-違うサロン出身ということで、意見が対立することはなかったのでしょうか?
本田さん: 対立したこと…ないですね。何かあった?
片山さん:ないと思います。「いいサロンをつくりたい」っていう目指す方向は一緒ですから。
本田さん:仮に意見が異なっても、「じゃあどうする?」って話し合うだけです。仕事の進め方とか考え方は違うところもあるかもしれないけれど、「いいとこどり」をしていけばいいって僕らは考えているので。それが共同経営のメリットなのだと思います。
何十年も愛されるサロンをつくるためにしたこと
-ほとんど毎日のように会って、そこで何を話していたんですか?
片山さん: サロンのコンセプトについてですね。どういうお店にしていくのか、二人でセッションしていかないといけないと思ったので。
本田さん: その話し合いには、僕らだけじゃなくて、編集関係、広告関係などで活躍している外部の人にも一緒に入ってもらいました。美容師の意見だけじゃなくて、いろんな視点を集めたかったんです。
片山さん:立地とか内装とか、そういうものは全てコンセプトに紐づくと思うので、ここには惜しみなく時間を使いました。
本田さん:僕らは、何十年も愛され続けるサロンを作りたいと思っています。そのためには、軸になるコンセプトが重要なんです。
片山さん:コンセプトメイキングのやりとりは全部、メモして保存しています。そこにはA4ノートの何冊にも渡って、僕らの想いがビッシリ書き込まれているんですよ。お客さまやスタッフに僕らの想いが伝わるように、コンセプトの言語化にも力を入れてきました。
「by your side , be yourself」と「Re:switch」
-それで決定したのが、「by your side , be yourself(あなたに寄り添い、あなたらしく)」なんですね。
片山さん:僕らのサロンのコアターゲットは、自分の好きなものや魅力を自覚している女性。周りの女性が憧れるような存在です。代官山の蔦屋のターゲットはシニア層だそうですが、実際は若者も上質なサービスを求めてたくさんきていますよね。そういうところを僕らも狙っていきたいなと。
本田さん:自分の良さを知っていて、さらに上を目指していく人たちに満足していただくのは、簡単ではないと思います。でも、それができれば、その人に憧れるお客さまもきてくださるというわけです。
-「Re:switch」も印象的なキーワードだと思います。
本田さん:これはLONESSの空間コンセプトですね。
片山さん:お客さまがサロンにいる時間が約2時間あっても、僕らが接客している時間は、その一部でしかない。僕らのターゲットにしているのは、忙しい方がほとんど。だから、癒しの空間にしたいのです。