人気サロンの採用担当者が語る採用のポイント「FLOWERS」編
就職を目指す美容学生や転職者に向けて、人気サロンの採用担当者が採用のポイントを語るシリーズ第十弾。「美容業は積み上げた努力が裏切らない世界」と語られた「DIFINO」編に続き、今回は「FLOWERS」の採用を担当する、代表の和智公義(わちたかよし)さんに直撃します。
素顔を引き出すため突拍子もない質問を投げかけることも
-新卒者に対しては、選考時にどのようなポイントを重視していますか。
新卒に関しては技術的なチェックはないので、FLOWERSで働いている姿がイメージできるかどうかですね。それを判断する上で、まず挨拶や笑顔、人の目を見て話せるかなど、社会人としてごく当たり前のことができるか確認します。
面接ではなるべくその子の素の部分を見たいのですが、いかにも面接らしい質問だと事前に答えが用意されているので、例えば面接で地方組が多かったら「自分の地元の町自慢をしてください」といったように、なるべくその子自身の言葉が聞けるような突拍子もない質問を投げかけたりします。そうすると緊張もほぐれるのか、素の声が出やすくなります。
-中途の応募者に対しては、選考時にどのようなポイントを重視していますか?
中途についても8、9割は人柄を重視します。なかでも、一度社会に出て美容師として働いている分、新卒よりは美容師としての今後の方向性の明確さを求めますね。もちろんその方向性はFLOWERSで働くなかで変化してもいいと思うのですが、面接の時点で「自分はここで何をしたいか」「何を求めているか」がある程度固まっている人の方が一緒に働くイメージもしやすいんです。
あと中途の場合、話の流れで実際にシャンプーをしてもらったりと、人によってスキルのチェックも取り入れています。特にシャンプーはお客さまにたくさん触れる分、美容師の気持ちが指先を通してお客さまに伝わりやすく、どれだけ相手を大事に扱おうとしているかが表れるプロセスなので、そこを見るためにその場で「やってみて」と振ることはありますね。
一所懸命な子には、こちらも一所懸命になりたくなる
-採用担当者として思わず好印象を抱くポイントについて教えてください。
笑顔が素敵だったり、こちらの話をちゃんと目を見ながら聞いてくれたり、話を聞きながらうなづくようなリアクションを取ってくれると気持ちのいい子だなと、好感を抱きます。新卒の場合は若さゆえの荒削りな部分もあっていいと思うのですが、ただテンションが高いのではなく、新卒ならではの新しい風を持ち込めるような明るいオーラの子がいいですね。
あとは、話す内容が空回りしてしまっていても、真剣な目で一所懸命伝えようとする子は、僕たちも一所懸命になりたくなるし、採りたくなりますね。人それぞれの答え方があっていい場所なので、不器用でも自分の言葉で自分を表現してほしいと思います。
-採用された方に共通している点はありますか?
美容師を目指したきっかけや熱量は人それぞれなのですが、みんな一本芯が通っているところですね。面接で上手に言葉を並べて合格した人はむしろほとんどいなくて、その人なりの言葉の節々から信念が見え隠れした、という人が多いです。
あとポジティブな精神を持っていることです。何事もポジティブに考えられる子は、厳しい壁にぶちあたったときに、自分が最初に持っていた熱意や、それを糧にできる力があるので、「こういう景色が見たいから今は歯をくいしばってやるぞ」という気持ちが持てるんです。