あの名店のスタイリストデビューの基準を探れ! Vol.2 BEAUTRIUM皆川菊雄さん明かす“1人前の美容師の条件”
スタイリストデビューの基準をクリアして、いよいよ、一人前の美容師へ。
ひとくちにデビューといっても、期間や基準はサロンによって千差万別。ファッション系の顧客も多いおしゃれサロンとして人気のBEAUTRIUMでのスタイリストデビューの条件や美容師として求められるスキルについて聞くために、青山店のジェネラル マネージャー・皆川菊雄(みながわきくお)さんを直撃しました。
項目ごとにチェック。それに合格しないとダメ!
-BEAUTRIUMには、スタイリストデビューするまでの教育プログラムがあると伺ったのですが、その概要を教えていただけますか?
まず、入社した4月にシャンプー、5月にマッサージのレッスンを行います。シャンプーのチェックは、所属店舗のスタイリスト全員に実際にシャンプーをするんです。それで、スタイリストで話し合いをして、問題がなければ合格。それからマッサージに進みます。その後、6月から10ヶ月間はカラーリングのレッスンと、ウィッグを使ったパーマのレッスンです。カラーリングはすべて人頭のモデルさんで、『白髪染め』『マニキュア』『おしゃれ染め(トーンアップ)』『おしゃれ染め(トーンダウン)』『ウィービング(メッシュ)』をやります。
店舗によって順番はまちまちなのですが、白髪染めが終わったらチェック、マニキュアが終わったらチェック、というように、それぞれの項目ごとにチェックが入って、合格しないと次には進めません。それと並行して、パーマですね。パーマは、まずはウィッグで『ピンパーマ(ショートスタイル)』と『スタイルウエーブ(ロングスタイル)』を練習します。だいたいの見本があって、どうやって巻いたら、どういう動きが出るかという構成をしっかり学ぶレッスンです。
-練習は、どのような仕組みで行っているのでしょうか?
週1〜2回、営業時間後に店舗ごとの練習会があり、それ以外は自主練習です。自主練習と言っても、カラーやパーマなどのカテゴリーで中心となって教えるスタッフが残って教えるようになっています。ですので、アシスタントはしっかり教えてもらえるし、スタッフの方でも、誰がどれくらいの進み具合になっているかをチェックできるんです。また、うちのサロンでは、月曜日と水曜日は“ノー残業デー”なので、自主練習はそれ以外の日に行うような形になります。
-ノー残業デーは、どういう目的で導入されたのでしょうか?
美容師は、いくらカットやパーマの技術が優れていても、それだけじゃダメなんですよね。感性が大切なクリエイティブな仕事なので、『若いうちに街に出てもっと遊んでこい!』っていうのが導入された目的ですね。そうじゃないとみんなやりすぎちゃうし、帰り辛い雰囲気があるのもよくないなということで。アシスタントだけじゃなく、スタイリストも帰らなきゃいけないんです。
-みなさん、きちんと遊んでいる感じですか?
そうですね、遊んではいるみたいです。まぁ、遊び方は昔とは違いますけどね。夜、友だちと遊ぶといって、お茶とご飯ってことも結構あるみたいですから(笑)。