20代半ば、売上絶好調期に妊娠。産後、ブランディング転換し華麗なる復活を遂げたGARDEN雲林院優さん─天職WOMAN─
GARD/ëN(ガーデン エン)でトップスタイリストとして活躍する雲林院優(うじいゆう)さんは、アシスタント時代から頭角を表し、数多くの撮影やヘアショー、セミナーを経験。SNSにも全力投球してデビュー直後からたくさんのお客さまに恵まれ、初月売上記録を更新されたそうです。「このままバリバリ働いていこう」と思っていた矢先、良縁に恵まれ、とんとん拍子で結婚、そして妊娠という流れに。
好調な時期に訪れたライフステージの変化に向き合い、働き方やスタイルの打ち出し方を改めて考えたという雲林院さん。常に理想の美容師像を思い描きながら、バイタリティ高く行動している雲林院さんのマインドセットと、仕事との向き合い方について迫ります。
卓球少女が美容業界へ。導かれるように入社したGARDEN
小学校から高校までの12年間は、卓球部でスポーツ三昧の日々を送っていました。インターハイに出るほど本格的に打ち込みましたが、小学生の頃に初めて行った美容室で受けた衝撃が忘れられず、美容師になること自体は小学生の頃から漠然と決めていたんです。進路を考えるタイミングでもその気持ちは変わらなかったので、高校卒業後は地元の小さな美容専門学校に進みました。美容師になるからには上京して上を目指したいと思っていて、就職先の希望は都内の有名店一択。GARDENを知ったのは、先生からの紹介がきっかけです。当時は名前すら知らないような状態でしたが、とりあえず調べてみようとヘア雑誌を開いてみたらスタイルの雰囲気が好みで、意識するようになりましたね。
それに加えて、縁を感じる出来事もあって。在学中に東京研修という修学旅行を兼ねたイベントがあったんですが、そのときに行われた特別授業の講師が偶然GARDENの美容師だったんです。そのあとお客さんとしてサロンに行ったときの温かい接客も合うなと感じましたし、自分の中でもGARDENがどんどん大きな存在に。特別に、3日間のインターンを経験させてもらったことが最後の決め手で、「ここなら成長できる」と第一志望にしました。
アシスタント時代は、とにかくがむしゃらでしたね。もともと雑誌など外部の仕事をやりたかったですし、「有名になりたい」という思いが強く、貪欲でした。当時のルールとして、いいモデルさんを連れていくと優先的に撮影現場に同行することができたので、休日は朝から渋谷や原宿、新宿で1日中モデハンをする毎日。実際に、色々な撮影現場に連れて行ってもらいました。モデル探しに限らず、いつも考えていたのは「今、外部の仕事をしている先輩たちは、次にどんな人に仕事を振りたいと思うだろう」ということです。現場について何も知らない人よりは、それまでアシスタントについていた人や、事前に準備して動ける人がいいだろうなと思い、できる限り勉強して、経験値を増やせるように努力しました。
デビューに向けてInstagramに注力。1年で10倍に
スタイリストデビューは4年目です。それまでずっと撮影に力を入れていてSNSを使えていなかったので、デビュー前の1年間はSNSに注力しようと決意。もともと居た銀座店から、SNS集客が強い表参道店へ異動させてもらいました。当初、Instagramはプライベートアカウントのままで、フォロワー数は900人ほど。それを美容師アカウントに変えて、先輩に教えてもらいながらInstagramに全集中しました。デビューと同時に予約が常に埋まる状態を作りたかったので、会社にはデビュー月の希望も伝え、そこに向けて1年ほど励みましたね。
休日は多いときで8体の作品撮りをして、それを1ヵ月分撮り貯めて、同期とファミレスで深夜3時まで編集して…(笑)。そんな日々を繰り返していました。打ち出すスタイルをショートした理由は、変わり映えするので目を引くだろうなと思いましたし、ショートは特に骨格に合わせたカット技術が必要なスタイルで、「似合わせがうまいから任せたい」と指名される美容師像が理想だったからです。
そこから地道に投稿を続けていましたが、5ヵ月ほどなかなか手応えを感じられませんでした。2020年の緊急事態宣言の期間にSNSをとことん研究したところ、5月にZEPETO(アバター撮影ができるアプリ)を利用したスタイル投稿がバズったんです。そこからモデルのスタイル写真も伸びて、デビュー月にはフォロワー数が1万人になりました。そこから5万人までは順調に増えていき、集客は多いときで1日20人来店していただけるように。主なメニューがカットだったので、本当に忙しい毎日でしたね。
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