エザキヨシタカが美容業界に疑問を呈す。 人を大切にすることで築いた15年――gricoの歩みと未来への展望

 

今年で15周年を迎えた原宿の美容室「grico」の代表、エザキヨシタカさん。これまで多くの試練や挑戦を乗り越えながらも、お客さまやスタッフとの信頼関係を大切にし、独自の道を歩んできました。そんな彼が、この節目に感じる思いや、サロン運営への考え方、そしてこれからの展望について語ります。

 

人との繋がりを何よりも大切にするエザキさんだからこその試練。大切な人との関係を築くためには、どんな心がけが必要なのか。じっくりとお話を聞きました。

 


 

「本当に続けられるかな?」毎日、不安と戦っていた

 

 

2009年にgricoが産声をあげてから、もう15年が経ちました。こうして節目を迎えると、これまでの出来事が一気に頭をよぎります。

 

常に新しいことを学びながら、成長し続けてきたことには変わりありません。お客さまとの繋がりや、技術の向上に対する努力、それらはすべて日々の積み重ねが今の自分を支えているんだなぁと感じます。

 

とはいえ、決して順風満帆だったわけではなく、大変なこともたくさんありました。特に、何のあてもないのに有名店を飛び出して、尖りすぎて一人でもがいていた初めの頃は、毎日が挑戦の連続で、「これ、本当に続けられるのかな?」って思うことも正直ありました。何度も立ち止まりそうになることもありました。

 

 

数年前の自分を振り返ると、「今の自分と同じ人間なの?」って思うくらい、いくつもの壁を乗り越えて成長してきたんだと感じます。

 

僕だけでなく、スタッフたちも本当に頑張ってくれています。みんなが成長していく姿を見ることが、僕自身の大きな喜びです。

 

みんながコンペに出場して素晴らしいスタイルを披露したり、サロンにテレビの撮影依頼が毎月届いたりするのも、みんなの努力のおかげ。サロン全体にとっても大きな力になっていますし、みんなと一緒に仕事ができることが何より幸せです。

 

初めてきたとき小2だったお客さまが母親に

 

 

ちょうど最近、印象深い出来事もありました。小学校2年生の時からサロンに通ってくれているお客さまが、今度はママになって自分の子供を連れてきてくれたんです。こうした世代を超えた繋がりが生まれてくると、お客さまとサロンとの関係は単なる「お客さまと美容師」という枠を超えたものになるんだなと実感します。僕たちのサロンは、お客さまの人生に深く寄り添っていける場所なんだとあらためて思いました。

 

あるお客さまがご家族を喪失されたときのことも忘れられません。普通なら大きな悲しみの中でサロンに来ることなんて考えれないと思います。でも、その方は「エザキさんのところに行けば元気になれる」と言って、わざわざ足を運んでくれました。

 

 

こういう信頼関係や特別な繋がりが、僕たちのサロンの強みだと思いますし、それがこの仕事のやりがいでもあります。家族のような温かさや深い絆を提供できているのが、gricoなんですよ。

 

>登山はサロン経営、ひいては人生に通じる

 

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