本当に求めている髪はなんなのか?お客さまの心を感じるための習慣 -orente 表参道 by rcid 大野道寛の習慣 後編-

 

カット料金3.3万円、縮毛矯正11万円という規格外な価格設定にもかかわらず、全国から顧客が殺到する「ショート・ボブ専門美容師®︎ ミッチー」こと大野道寛(おおのみちひろ)さん。その成功の裏には、美容師としての卓越した技術だけでなく、お客さまに最高のサービスを提供するための万全な「心と体の準備」があるようです。インタビューは前編・後編の2回で、今回は後編です。ぜひ前編とあわせてご覧ください。

 


 

「1㎝切りたい」というお客さまの言葉に何を感じるか

 

 

美容師をやってきて一番大事だと感じるのは、どれだけお客さまの想いを感じて、心に刺さる仕事ができるかだと思います。だからこそ、まずはお客さまの心の動きを感じられる自分をつくることが必要。そのためには毎日、自分が何かを感じていないといけないと思うんですよね。些細なことでもいいと思います。自然の景色を眺めてきれいだなと感じたり、妻の笑顔を見て一緒に笑ったりとか、そういう感情の動きを大切にすることも僕の習慣です。

 

お客さまを感じるというのは、どういうことなのか。昔からよく言われている話なんですけれど、たとえば「1㎝切りたい」とお客さまに言われたとき、何を感じ取るかという話です。言われた通りに1㎝だけ切るのか、そうではなく、なぜ1㎝切りたいのかを察することが大事です。実は髪の痛みが気になるから1㎝だけ切りたいのかもしれないし、本当は切りたくないけれど、美容室に来たから切らないとは言えず1㎝と言っているのかもしれない。本当は切りたくないことを察したら、「今日はカラーとトリートメントだけにしましょう」という提案ができるし、実際にそれがお客さまにとっての正解なのかもしれません。

 

 

だから、なぜ今日、自分のもとにお客さまが来てくれたのか、言葉の端々にある情報から感じ取って、施術を通じて髪に落とし込むことが大事だと思っています。そのためには、繰り返しになりますけれど、お客さまを感じようとすることが必要ですよね。自分が日々心の動きを感じていないと、他人のことを感じることはできないんですよ。

 

>上質なものを知らなければ生み出せない

 

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