美容師の妊活&出産どうする? 人工授精、体外受精の選択肢も? 昨年出産のGO TODAY SHAiRE SALON珠実さんに直撃!
世の中の結婚や出産が高年齢化する中、美容師さんも例外ではないはず。「スタイリストになってから……」「顧客が安定してきてから……」などと考えると、なかなか踏み切れないパターンも。
そうしてキャリアを積んでからの出産を希望する人も増えている中、実際の妊活はどんなものなのでしょうか? そこで、昨年10月に36歳→不妊治療を経て37歳で出産した珠実(たまみ)さんに直撃取材! GO TODAY SHAiRE SALON(ゴートゥデイシェアサロン)の取締役であり現役美容師でもある珠実さんに、妊活の基礎知識からなかなか人に聞きにくいセンシティブな内容まで、実体験をもとに詳しく伺いました。出産後、時短での売上アップのポイントも!
原始的なタイミング療法にがっかり!? 早々に体外受精にシフトチェンジ
―珠実さんは、2020年に34歳でご結婚されたんですよね。出産は、いつ頃から考えていたのでしょうか?
私は、出産についてはその当時はまったく考えていなかったんですよ。ただ、4つ年下の夫が子どもが欲しい、と。2021年頃は、「できたらいいね」とカジュアルに考えていましたね。2022年になって自分の年齢のこともあり、妊活に踏み切りました。
そこで私が通ったのは、不妊治療専門の病院です。たまたま近所にあった病院なのですが、患者さんは全員私のような年頃の男女です。
―不妊治療だけに特化した病院なんですね。どんなふうに治療を進めていくんですか?
まず、女性側の診察があり、そこで月経と排卵がちゃんとあって子どもが自然にできる体なのかを検査します。そこで、例えば排卵していない……などのトラブルがあれば薬を飲んだり注射をしたり治療していきます。男性も同じで、診察・検査があって、治すべきところがあれば治療します。
私の場合は、月経はあるもののいつ排卵しているのかわからない、という症状がありました。いろいろ検査をしたのですが、原因がわからず……。よく調べていくと片方の卵巣に腫瘍があることがわかったんです。他に原因がないので手術で取ることに決めました。それが、2022年の10月で、翌月には排卵がきちんと確認できるようになりました。これが出産の1年前のことですね。
不妊治療の段階としては、
(1)タイミング療法
女性の血液検査をして排卵日を予測し、自然妊娠を図る
(2)人工授精
排卵の時期に合わせて、精子を子宮内に注入する
(3)体外受精
卵子を体外に取り出し(採卵)、精子と受精させ子宮内に戻す
の3段階が一般的とされています。
(1)は、もっとも自然な方法ですが、私は正直がっかりしちゃったんですよ。「不妊治療の病院に通っているのに、こんな原始的な方法でできるものなの?」って(笑)。このあたりの感覚は人それぞれで、なるべく自然な妊娠がいいという方もいるかと思います。ただ、(2)の人工授精をするにしてもこのステップ1つずつに半年くらいかかるので、そうこうしているうちに自分の年齢も上がっていっちゃうな、と考えて早々に(3)の体外受精に進みました。
そこで、卵巣の腫瘍摘出の前から進めていたのが採卵です。体外受精のためには、卵子を体外に取り出す採卵が必要になります。卵子をたくさん採るために、月経を止めて採卵するのですが、私の場合は自分でお腹に注射を打つんです。この注射が、まあ気が進まないんですよね。でも、採卵は妊活も後半に差し掛かっての工程なので、後には引けないというか、「やりきりたい!」という気持ちで乗り切りました。ちなみに私は1日1回でした。
体への負担もあるので、パートナーがいかにハッピーに支えてくれるかというのが大事になってくると思います。
そうして採卵した卵子は受精卵にし、冷凍保存しておくのですが、卵巣の腫瘍を取って排卵のホルモンバランスが正常になった翌年1月に受精卵の1つを子宮の中に戻しました。これを「移植」といいます。私は運よく1回目で妊娠しました。
その後は、赤ちゃんが流れてしまわないように、着床後にちゃんとお腹の中で育つようにいろいろな薬を飲みます。着床してから1〜2カ月で不妊治療の病院を卒業し、それからは産婦人科に通うようになります。
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