サハラ砂漠でヘアカット! -旅人美容師の世界一周の旅コラムvol.8モロッコ王国編-
「世界一周をしながら、1,000人カットする! 」
そんな夢を抱きながら旅する美容師、桑原淳(くわばらじゅん)さんの人気連載! 毎月ひとつの国を取り上げ、美容師目線で見たその国の文化や情勢、住む人の特徴や髪質、実際にカットしてみたエピソードなどを紹介します。
こんにちは。旅人美容師の桑原淳です。
僕は現在、 “さまざまな国を周って1,000人カットする”という夢を掲げ、世界を旅しています。
この度、好きな美容師をしながら、「ハサミ」一本でいろんな人に出会い、経験をしたことを、僕なりの解釈で紹介させていただきます。
今回はアフリカ大陸、“モロッコ”について書きたいと思います!
モロッコ王国(通称モロッコ)は、北アフリカ北西部にあり、アルジェリア、サハラ・アラブ民主共和国、スペインそして大西洋に面しています。
モロッコはアラブ連盟、地中海連合に加盟しているもののアフリカ大陸唯一のアフリカ連合非加盟国です。
モロッコというとどんなイメージがありますか? 有名なサハラ砂漠、イスラム教の人々、それから日本でもブームになったタジン鍋などのイメージが強いでしょうか。 もしかしたらあまりピンとこない方も多いかもしれないですね。
僕がモロッコの地に降り立ったのは2015年2月中旬のこと。日本はまだ寒いころですが、モロッコはとても暑かったです。
最初に訪れたのは“マラケシュ”という大きい都市でした。この街は“赤の街”と呼ばれ、ほぼすべての建物が赤茶色をしています。街によりテーマカラーのようなものが決められているらしく、青の街、白の街もあるそうです。
色や雰囲気を統一するという意味では、京都とイメージが近いかもしれません。
マラケシュには観光地としても有名な“フナ広場”があり、そこで警察に聞いたところカットしても大丈夫だと言われ、初日からいきなりやってみることにしました。
看板をポイっと地面に置くと、わさわさーっと人々が集まってきます。まるでインドを旅したときと一緒…もう嫌な予感しかしません。というのも集まってくれるのはうれしいんですが、インドでカットしたときは人が集まりすぎて、かつ近すぎてカットするために使う僅かなスペースさえ与えてもらえない感じだったのです。
カットしてもヒジがドンッと人にぶつかったりするのです。ど、どいてくれませんか…と(笑)。
モロッコ人はインド人と似てるとの前情報もあり、そんな不安を抱きつつも早速子どもをカットしはじめました。と、同時にものすごい数の人が集まってきました。
「日本人か!?」
「どこから来たんだ!」
「なんで髪を切ってるんだ?」
「名前は?」
「彼女いる?」
「モロッコは好きか?」
「どこに泊まってるんだ?」
まわりの野次馬たちから同時に質問攻めされ、聖徳太子がいかにすごい人かがわかった気がしました…。
三人目のお兄さんを切ってるとき、あまりに人が集まりすぎたため警察に注意され、終了。やはりインドと一緒で、人が集まりすぎて髪が切れません。
なぜだ、なぜなんだモロッコ人…そんなことを思いながらその場を後にしました。
ですが、あとから見るとみんな楽しそうで笑顔が素敵だったからよかったのかなと思います。