新しい価値を生み出す「掛け算」という考え
―これからは個の時代。働き方・価値観・生活の多様化。美容業界でもそんなフレーズをよく耳にするようになった。
「“個”という言葉の真意を間違ってとらえている人が多いんじゃないかなと思います。もちろん美容業界では個性は大事ですが、個々が別々のベクトルに向かってしまっては力が分散してしまいます。大切なのは『掛け算』という考え方。個と個を掛け合わせたチーム戦は、どんな時代でも強いと思います。」
弱みを補い合い、強みの相乗効果を生む。得意な技術をコラボさせて、新しいスタイルを生み出す。掛け算ができるチーム型サロンこそ、人はどんどんと吸収し成長していける。だが、塚本の考える掛け算は「人×人」に限った話ではない。人も、モノも、事業も、全てを掛け合わせて、可能性を最大限に引き出していく。枠にこだわっては、掛け算は生まれない。
「今や美容師にとってInstagramは欠かせない存在ですが、それも掛け算のようなもの。美容師がハサミだけを持つ時代は終わったんです。日々のサロンワークだけをこなした先に、未来はありません。世の中のあらゆることにアンテナを張り『美容×何か』を組み合わせて、新しい価値を生み出すこと。それが次世代美容師に求められる力でしょう」
アイラッシュ事業をはじめ、着付け協会、カラー専門店、フォトスタジオ。今年からはヘアケアアイテム専門のEC事業も新たにスタート。ひとつの美容室から始まったハッピーヘアライフホールディングスも、あらゆる掛け算によって新しい事業が生まれている。多角的なトータルビューティの展開。それらはすべて、スタッフの「やりたい」という想いから。想いは種。夢を咲かせる環境が、ここにはある。
塚本と社員がタッグになりビジネス力×アイデアを発揮
情報が飛び交う時代。若い世代ほど多彩なツールを駆使し、大量の情報に日々触れている。
「若い世代はアイデア力に優れている。でも“やりたい”という想いだけが先行してしまい、事業化ということまで考えていないケースが多いんです。やっぱり趣味で終わるよりも、好きなことでお金をもらえる方がいいでしょ? スタッフ一人ひとりの夢を応援するのがハッピーヘアライフのスタンスであり、“夢を売れるビジネスにする”のが私の役目です」
塚本が目指すのはエンジンの多いグループ経営。そして、そのエンジンこそが次世代の経営者たちである。
「ハッピーヘアライフは幸せ生活応援企業として『アナタノミカタ』をテーマに掲げています。当社にはグループサロン制度や分社制度があり、独立の道を本部がサポートします。これまでグループから七名の経営者が誕生し、それぞれの夢を叶えています。目標は十年以内に経営者二十名を育てること。どんどん夢を教えてほしいですね」
エンジンは多ければ多いほどいい。しかし全員が「みんなの幸せ生活を応援する」ということに対してぶれていない。右肩上がりの成長にはそんな相手を思いやりながら夢をカタチにした自世代経営者たちの存在がある。
相手を想う力は自分を想う力よりも強い
「相手のためを思う力はスゴイ」と塚本は次世代美容師へアドバイスを送る。個の時代だからこそ、自分ではなく相手に目を向けよう。
「夢に向かっている途中は、誰でも壁にぶち当たるもの。ピンチになった時、もうひと踏ん張りが必要な時、人は自分のためよりも、相手のためを想う方がリミッターは外れるもの。それはお客様かもしれない。仲間や家族、恋人かもしれない。あなたの夢を応援してくれる人、あなたが笑顔にしたいと思う人を想像してください」
最後は温かい言葉で締めくくった塚本。彼もまた、これまでスタッフを想う力ひとつで、美容業界を駆け抜けてきたに違いない。
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